株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)、トランスコスモス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長兼COO:奥田昌孝)、応用技術株式会社(本社:大阪市北区、社長:船橋俊郎)は、BIMモデリングの進展度(LOD : Level of Development(※1))を管理するシステム「Smart BIM Connection」を開発、販売を開始します。
本システムは、2019年10月に締結した3社間のアライアンスに基づいて大林組が開発し、オートデスク株式会社のBIMソフト「Revit」のアドオンアプリケーションとクラウドサービスのパッケージ商品として、トランスコスモスと応用技術が共同展開する「toBIMサービス(※2)」を通じて2021年5月10日からトライアル利用の受け付けを開始、2021年9月1日から販売します。
「Smart BIM Connection」の機能
1 BIMモデリングの目標LODが設定可能
従来のLODは、BIMモデルとは別に、その確定度合いを「200」や「300」といった数値ごとに定義した文書を作成し管理します。一方、本システムでは、プロジェクトのフェーズと部位(部材の集合単位)ごとにゴールとなる達成要件を定義し、目標LODとしてクラウド上に登録することができます。

図1 フェーズと部位ごとに設定した目標LODの管理画面

図2 達成要件の定義設定画面(位置、属性、タイプ)
2 ボタン操作で目標LODに対する部材の確定度合いが入力可能
部材を選択すると、パネル(ステータス管理画面)上に、登録した目標LODとその達成要件が表示されます。達成要件に対する確定度合いを、「Good」や「NG」といったシンプルなボタン操作によって入力することで、進捗として数値に変換され表示されます。さらに、進捗の数値ごとに部材をフィルタリングして着色し、視覚的に確定度合いを確認することができます。

図3 パネル(図中左)画面と着色(青)された部材(図中右)
3 目標LODに対する仕様情報を自動でチェック可能
目標LODの達成要件は、確定度合いの数値管理だけでなく、仕様情報が正しく入力されていることをシステムが自動でチェックすることで満たされます。BIMモデルに入力された仕様情報と、あらかじめクラウドに登録したチェック規則を突き合わせることで、仕様情報の誤りや作業漏れを発見できます。結果はBIMソフト上のダイアログで確認でき、このダイアログから修正することも可能です。

図4 仕様情報の達成要件確認画面

図5 仕様情報の自動チェック画面
4 BIMモデルの確定度合いをレポートし、進捗を閲覧可能
プロジェクトごとに部材に入力した確定度合いと仕様情報のチェック結果をクラウドにレポートできます。レポートはクラウドサーバー上で進捗率に換算し、グラフなどの形で閲覧可能です。

図6 進捗率のグラフ表示画面
3社は本システムによるLOD管理の普及を通じて、BIMモデルを共有する効果を最大化させ、企業間を跨いだ建設業におけるBIMの一貫利用の推進に大きく貢献していきます。
以上
※1 進展度(LOD:Level of Development)
アメリカ建築家協会がBIMモデルの進展度基準として2008年に制定し、これを実施するための参照文書として2013年に「LOD仕様書」が公開された。以降、おおよそ毎年更新されている。
LOD仕様書では6段階のレベル(100,200,300,350,400,500)とそのレベルで確定されているべき内容が部位ごとに定義されている(LOD仕様書では500の定義は省かれている)
※2 toBIMサービス(トゥビムサービス)
トランスコスモスと応用技術共同で展開するBIMに関するトータルサービス
サービス詳細:https://tobim.net/